wada architectural design office | 和田設計 愛媛県松山市の一級建築士事務所です．

そよ風セミナー in 東京 2016

3/23、環境創機さん主催のそよ風セミナーに参加しました。
「そよ風」とは自然の力を利用して夏涼しく、冬暖かく過ごすための
空気集熱式ソーラーシステムです。
今回のセミナーはそよ風システムを搭載した堀部安嗣さん設計の住宅の
見学会、その後堀部さんの講演会、建築家・伊礼智さんと建築知識
ビルダーズ木藤編集長さんを交えたトークショーという構成でした。

まず最初に堀部さん設計の「荻窪の家」を見学させてもらいました。
素朴な佇まいの2階建て住宅です。玄関部分は軒が低く抑えられ(軒天
高さ≒GL+2,170)、人を招き入れるための配慮が感じられました。
玄関は主玄関と家族用の玄関となっており、家族用玄関からは裏動線を
通じてキッチンへ直接行くことができます。
明るさを抑えた玄関ホールからLDKに足を踏み入れると注意深く開かれた
開口部からたくさんの光が入てきます。薪ストーブの備えられた縁側
とも呼べるような心地よい場所では建主さんの飼い犬が昼寝をして
いました。
中庭を中心としたコの字プラン、巧みに操作された天井高さ、開口部の
取り方や木製建具のディテールなどなど、制限時間の30分があっという
間に過ぎてしまいました。

午後からは場所を杉並公会堂に移して堀部さんの講演、トークショーを
観覧しました。
この時間が個人的には、建物の見学に勝るとも劣らない貴重な時間と
なりました。

・フランク・ロイド・ライトから受け継がれた系譜
・目に見えないことを大事にする(音、動きやすさ、温熱環境などなど)
・平面図がとても大事、いい平面が出来ると自動的に立体が立ち上がってくる
・個人の建築家、設計事務所は今後ますますきびしい状況になる→引き出しを　
増やすことが重要
・工務店とフェアな関係を築くこと
・設計が上手くなるためには・・・建築主のことをお客さんとは呼ばない
(いいものを一緒につくる同志に近い感覚で接する)
・子どもに安心感を与えられる住宅は良い住宅である
・吉村順三事務所出身者は人の話を聞かない人が多い・笑


セミナー終了後、急ぎ足で隣駅にある「ひねもすのたり」へ。
こちらも堀部安嗣さん設計の器とカフェの店です。わずかな滞在時間でしたが、
店主の方ともお話出来、立ち寄って良かったです。
あわただしい一日でしたが、得るものも多く、やはり自分で時間を作って足を
運ぶことの大切さを感じました。

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AJ ROYAL 370

我が家に初のヤコブセン・デザインが(暫定的に)仲間入りしています。
AJロイヤルはアルミと鋼板で出来た照明器具で、スリットから美しい光が漏れる
モダンなデザインです。

ルイスポールセン社の照明器具はグレアフリー(光源が直接目に入らない構造)
のものが多いため、設置した当初は光源が直接目に入る構造が気になりました。
メーカーに問合せたところ、現行品に採用されている底面のアクリル製
ディフューザーを後付けしてもらえるとのことでお願いしました。
元の設計ではこの底面のディフューザーがあったそうで、AJ ROYAL370の眩しさ
問題を抱えている方にはおすすめです(有償ですが)。

また、最近はミニクリプトン球代替用の調光器対応LED電球もなかなか良いものが
出てきており、自宅のものも随時更新しています。

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日帰り東京旅行2015夏

8/16(日)日帰りで東京を訪ねました。きっかけはフェイスブック
上で「ホテルオークラ・本館　～建て替え前　さよなら見学会～」
という催しを発見してしまったこと。2015年の8月いっぱいで解体・
建替えとなるホテルオークラ本館の見学会を実施するということで
参加者を募集していたのですが、応募多数の場合抽選、、、
クジ運に全く自信の無い私は軽い気持ちでとりあえず申込みの
手続きをとることにしました。
数日後・・・・・・応募したことも少し忘れかけていたところに
なんと当選を伝えるメールが！本文を読むと見学者の定員25
名に対して600名以上の応募があったとのこと。家族からこんな
ところで運を使うなと言われましたが、急遽飛行機の予約を済ませ
ました(こういうことは仕事が早い)。

今回は突然決まった一人旅なので、気楽なのをいいことに行程を
組んだのは出発の前日。ホテルオークラの見学会がお昼過ぎから
なので、午前・午後にそれぞれ少し自由時間があります。
前々から東京の行きたいところリストを作っていたものの、今回
行ける場所はわずか。慎重に行き先を選択します。
昨年訪れて非常に良かった北欧家具店のハイクにももう一度行き
たかったのですが、今回は同じくデンマーク・フィンランドの
家具を扱うハルタ神田店を訪問しました。
11時の開店と同時に店内へ。ミナ・ペルホネンの生地の貼られた
ウェグナーのソファやアアルトのスツール、テーブルなどなど
丁寧にメンテナンスされた家具が並んでいました。ずっと居たい
くらいの心地良さでしたが、メインイベントの時間が迫ってきた
ため、後ろ髪を引かれる思いで見学会に向かいました。

集合場所に着くと既にほとんどの参加者が集まっていました。年齢
層もさまざまで、改めてホテルオークラへの注目度の高さを感じ
ました。神谷町駅から坂を歩いて建物にアプローチしていきます。
まずは本館を模して作った別館が目に入ってきました。雑誌などで
みたホテルオークラの雰囲気そのものです。(本館の建替え工事の
間はこちらで営業されるそう)その後も坂を少し歩くとついに本館
が姿をあらわしました。

営業中にもかかわらず、ホテルの方にガイドしていただき、3時間
近くジャパニーズ・モダンの空間を味わうことが出来ました。
(言葉の端々から建物や仕事に対する愛情・誇りを感じることの
出来る非常にいい解説でした、ありがとうございました)
建設から50年を経っても古びるどころか味わいを増した空間。正面
入口から入ると季節の花とオークラ・ランタン(照明)に出迎えてもらい、
天井高さを工夫した空間構成、各国の要人や著名人をもてなしてきた
客室など普段は手の届かない世界を目にすることが出来ました。

日本的建築美の創造をテーマにデザインされたこのホテルは外国人
にも非常に好評ということで、ポール・スミスさんやマーガレット・
ハウエルさんも建替えをとても残念がっているそうです。
ホテルの方は建替えの理由として、2020年の東京オリンピックは
世界の人びとに新しいホテルをお披露目する絶好の機会であること
(旧本館は1964年に東京オリンピックを迎え、2020年の東京オリン
ピックを新たな建物で迎えるというタイミング)、現在の建物は客室の
専有面積が他のホテルと比較して狭くなってしまっている点を挙げら
れていました。経済性も大きな理由のようでしたが、周囲ではさまざま
な土地・建物の開発や建替えが進んでいるようで、東京ならではの
避けられない大きな波が押し寄せているようにも感じました。

建築に携わるものとしては、このような歴史的建造物の保存・解体
はとても難しい問題です。ホテルオークラ本館も8月31日の閉館後
に現地調査を行い3次元CAD化の上、データとして保存される予定
ということでしたが、ひとつの新しい回答だと思います。

慌ただしいスケジュールでしたが、貴重なインプットの旅となり
ました。

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設計のお供：artek abcコレクション メジャー

建物の詳細部の設計の際には細かい寸法(実寸)を確認しながら作業を進める
ことがあり、出番の多いメジャーは出来ればデザインの良いものを使いたいと
思います。

少し前から使っているこちらのメジャーは、アアルトの家具で有名なフィンランド
のアルテック社が2012年から発売を開始した文具シリーズ「abcコレクション」
のものです。3mの長さで、しっかりとしたストッパー付き。設計作業のお供と
して機能性も十分です。

「artek.fi」のロゴ入りですが、パッケージにはMade in Germanyの文字？？
少し腑に落ちない気もしますが、フィンランドのプロダクトよりドイツ製の方が
高品質なイメージがあるため、良しとします。。

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「私の住宅・論」林昌二著［丸善/1981］

探し続けていた本をついに手に入れました。
日建設計で主に大規模なオフィスビル等の設計をされていた建築家の林
昌二さんの「私の住宅・論」です。

特に印象に残ったのは「設計は、私の座を決めるところから始めました」
という一節。住宅設計の際には、その家の重心となる場所を決めるところ
から考えはじめることにしていますが、やっぱり大事なことだと再確認
出来ました。

そのほか最小限サウナの話やダイニング、カウチについてのエピソード
などなど、一般向けに書かれた本ですが非常に読み応えのある一冊です。

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